病気について
ムンプスウイルスが原因で起こる、耳下腺腫脹が主な症状のウイルス感染症です。
一般に「おたふくかぜ」として知られています。
感染経路と潜伏期間
唾液中に存在するウイルスが飛沫感染、接触感染で感染します。
潜伏期間は2〜3週間です。
耳下腺腫脹などの主な症状が出現する1日前から症状がでて5日後までが最も感染力が強いです。
主な症状
耳や顎の下にある耳下腺、顎下腺が痛みをともなって腫れます。時に片側だけのこともあります。
口を開ける、物を食べる、という動作で腫れた部分の痛みが強くなります。
多くは3~7日で腫れは消失しますが、10日くらい続く場合もあります。発熱を伴うこともあります。発熱は1~6日間で下がります。
合併症
おたふくは多彩な合併症があり、ときに合併症が問題となります。
- 難聴
1000人に1人程度合併します。多くは1週間以内に片側の軽度な難聴として発症します。時には両側の高度な難聴となりやすいといわれており、後天性難聴の原因の第1位です。唯一の予防法は予防接種です。
- 髄膜炎
3~10%にみられます。耳下腺が腫れた後少し経って(3~10日)発症することがあります。持続する発熱に伴い、頭痛、嘔吐、首の痛みなどがあれば疑わしいです。
- 脳炎
頻度はまれですが、激しい頭痛、嘔吐を認めます。
- 睾丸炎
思春期以降で約20~30%に合併します。睾丸の腫れと痛み、発熱、悪寒、下腹部痛を認めます。通常は片側性で不妊の原因になるとはまれです。
- 卵巣炎
頻度は5%です。下腹部(下腹痛)の痛みを認めます。唯一の予防法は予防接種です。
治療方法
特効薬はなく、鎮痛剤などの対症療法となります。痛みを悪化させる様な固いものなどは避けましょう。
こんな時は再受診を
- 発熱が5日以上続く、あるいは一度下がったのに再び発熱した場合
- 頭痛、嘔吐、意識がおかしい
- 激しい腹痛、おちんちんが痛い
- 聞こえがおかしい(耳鼻科への受診も必要です)
登園、登校(園)について
「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が始まった後5日を経過し、かつ、全身状態が良好となるまで」出席停止です。
川崎市では登校(園)許可書が必要になります。登校できる状態で再度受診してください。
予防接種について
- 合併症から子どもを守る唯一の予防方法が予防接種です。
- 2回接種が基本です。
- 1歳と就学前での接種をおすすめしています。
- 任意接種(法律で定めがなく、自費負担です)
- 特に小学生以上でまだかかっていないお子さんは、速やかに予防接種を受けることをおすすめします。
流行性耳下腺炎(おたふく)の相談や治療は当クリニックへ
スワンこどもクリニックの院長は小児科と腎臓の専門医です。
症状についてのお悩みや、心配に思うことがありましたらいつでもご相談ください。
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