どんな病気?
エンテロウイルス属が原因の「夏のかぜ」です。6月〜9月に流行し、保育園・幼稚園などで集団発生しやすい疾患です。
手足やお尻、口に発疹ができるものを「手足口病」と、高熱と口内炎・喉の発疹が主な症状であるものを「ヘルパンギーナ」と呼んでいます。
エンテロウイルス属は迅速検査(インフルエンザのようにその場で判明する検査)はできないため、クリニックでは症状の有無で診断をつけることが多いです。
エンテロウイルス属は複数のウイルス・型があるため同じ年に2度以上かかることがあります。
感染経路と潜伏期間は?
くしゃみや唾液、タオルの共用などによる飛沫感染・接触感染、便から排泄されたウイルスが口から入って感染する糞口感染で感染します。
2~4日の潜伏期間の後に症状が出現します。感染後も2〜4週間便からウイルスが検出されます。
どんな症状?
手足口病の症状
手足口病では手や手指、足の裏、口の中(頬・舌・喉)、膝、お尻などに小さな水疱性発疹ができます。
治癒後に手足の皮むけや爪が剥がれることもあります。発熱はない場合やあっても微熱を発症初期に1、2日認めるだけの場合が多いです。(高熱の場合もあります)
ヘルパンギーナの症状
ヘルパンギーナは高熱に続き、喉の粘膜に小さな水ぶくれを伴う発疹が出現します。水ぶくれが破れて潰瘍となり、痛みが出現します。2~4日発熱が続き、解熱後にやや遅れて粘膜疹も消失します。
どちらも、口の中の痛みが出て、食べることや飲むのを嫌がることが多いです。
そのほかに鼻汁・痰・お腹の症状などの一般的な「かぜ症状」を伴うことが多いです。
エンテロウイルス属の感染症は、稀ですが髄膜炎(強い頭痛、 嘔吐)、脳炎(意識障害、ふらつき)、急性心筋炎(著しい顔色不良、胸痛、呼吸困難)などを合併することがあり、注意深い経過観察が必要です。
治療は?
ウイルス感染なので特効薬はなく、対症療法が中心となります。こまめな水分摂取が大事です
登園、登校はいつから?
発疹が残っていても、発熱がなく、普段通り食事・活動ができれば登園・登校可能です。
基本的に「登園・登校許可証」は必要ありませんが、園や学校のルールに従ってください。
家庭でのケアのポイント
口の中の痛みにより、経口摂取ができないことがあります。柑橘類などの酸味の強いもの、炭酸、熱いもの、しょっぱい物などは口の痛みを増強します。
口の中が痛くなりにくい、冷たいもの、ゼリーなどの喉越しが良いものを中心に水分摂取を行い、脱水にならないよう注意してください。
兄弟への感染に注意し、タオルやコップの共用は避け、手洗いを徹底しましょう。
再診・受診の目安
- 高熱が4-5日以上続く
- 水分がとれず、尿が半日以上出ていない
- 意識がぼんやりしている、嘔吐や頭痛を繰り返す
- 胸痛や呼吸困難を訴えている
- 発疹が膿んでいる
手足口病、ヘルパンギーナの相談や治療は当クリニックへ
スワンこどもクリニックの院長は小児科と腎臓の専門医です。
症状についてのお悩みや、心配に思うことがありましたらいつでもご相談ください。
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